社内恋愛

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「え?は?いや、だから、はいーっ?」 ナルは完全に動揺している。 確かに、唐突すぎるとは思う。 ……でも。 「確かにきちんと付き合って三ヶ月だけど。 でも、その前の一年があるし。 それほど急じゃない。 結婚すれば同じ支社に転勤も可能だし、ナルさんがいいなら仕事を辞めてもらってもかまわないから」 「あの。 嘉規、さん? そんな大事なこと、こんな簡単に決めてしまっては……」 「簡単じゃないよ。 ナルさんとはいずれ、結婚したいと思ってた。 それがちょっと、早まっただけ」 視線を彷徨わせるナルの、顔にふれる。 ゆっくりと顎を持ち上げると、いつものように目が泳ぐ。 「ナル。……俺を見ろ」 二枚のレンズ越しにナルの視線が俺に向かうと、逃げられないように絡め取った。 「結婚しよう、鳴海」 「……」 じっと俺を見つめたまま、黙っているナル。
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