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◇
どれだけの時間、俊ちゃんの胸に抱かれていたんだろう。
階下(シタ)からの、
「俊哉ー、陽菜ー、飯できたぞ! 降りてこい!」
という直ちゃんの声で我に返った。
「あ、ごめっ……」
慌てて俊ちゃんから離れる。
「なあ陽菜。俺マジだからさ、真剣に考えてくんね?」
俊ちゃんの表情も声も凄く真剣で。
“嘘でしょ”とかふざけて言える状況じゃなくて。
だからといって、あたしは陵のことが好きだから気持ちに応えられるわけでもないし。
「俊ちゃん、あたし……考えられないよ。彼のこと、好きなんだもん」
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