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「おいおい、逃げるなって」
『ひぃっ、ひぃっ……!』
「ほーらよっと」
『──あがっ! がはッ!』
地面を這いつくばって逃げる怪人に2人の分身が銃撃、まともに喰らうと怯み、精神はより追い詰められていく。
「私刑(リンチ)って言うんだっけなぁ、今みたいな状況のこと」
楽しくって仕方ない、そう言いたげな口調で話し、ゆっくりと歩を進める彼女。
ブッカーからカードを抜き取り、ハンドルを引いて操作。 そのまま装填部に挿し込み、右手で押し込む。
《FINAL ATTACK RIDE》
《DI DI DI DISAIT》
『ハッハッ…や、やめ───』
「嫌だね。 もう飽きた」
冷たい声色で告げる彼女と怪人との間に“バーコードを意識したディザイトの紋章が浮かぶ、赤紫色に染まる等身大のカード型エフェクト”が何枚も並ぶ。
さらに2人の分身との間にもエフェクトが形成され、本体を含めた全員がガンモードとなったブッカーの銃口を怪人に向け───引き金を引いた。
『───があぁぁぁああッッ………!!』
赤紫色に染まるエネルギー弾はエフェクトを潜るごとに威力が増され、最後の1枚を潜って最大の威力となった状態で一直線に向かい───三方向から同時に怪人を撃ち抜くと、断末魔と共に大規模な爆発を引き起こした。
「まだ……暇潰しには足りねぇな」
バーコード状のエフェクトが全身を包み込み、やがて変身が解けると、炎上するその場所を後にして、静かに歩きだした。
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