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第6章 禁忌
少し後、椿姫の家では・・・。
「誰もいないのかな。」
一階を見る限り誰もいない。
地下に下りると、一人の男が座っていた。
「誰だ!」
椿姫が言うと、男は、
「名か。名はクローンとでもしておこう。」
かなり不気味な男だ。眼鏡をかけて、ずっと笑っている。
椿姫は少し力を入れ、クローンと名乗る男に問う。
「何をしに来た!」
男が指を鳴らす。
パチン
すると黒い霧に包まれた、人型の生き物が出てきた。正気じゃなさそうだ。
瞳が黒い。そして、紅い模様が入っている。
椿姫はその眼を知っていた。何故なら、椿姫の瞳も黒いからだ・・・。
椿姫の持つ力は、椿姫自身の体では制御できないほど強力。それ故、いつも鱗があり、瞳が黒いのだ。
正気じゃない、そしてその眼を持つという事は、
「忌子の実験か!」
その実験は禁忌であった。まず第一、子供しか力を持てない。忌子は18歳ほどまでは成長するが、それ以上成長することはないとされている。
次に子供であっても、普通の人間に忌子の力は制御できないからだ。自身の体を壊してしまう。
もし成功したとしても、脳に異常が発生する。
「試作品だけど、あそんであげてねーーーー。」
とクローンは笑う。
「くそ。」
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