第6章 禁忌

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ギャハハハ。 実験台が近づいてくる。速い。 普通の人間からすれば。 椿姫は力を使った。龍の、呪いの力を・・・。 椿姫の眼に模様が入る。そして、黒に近い青色の翼と尻尾が生えてきた。爪も伸び龍と人の間のような姿に。 「おー。これはすごい。龍の模様だ。」 とクローンは言う。 眼の模様は力によって違う。龍の模様というのは、龍の姿のような模様だ。 瞳を囲むようにできている。 「運が悪かったね・・。」 そう言い実験台の腹に手を突き刺す。 その後椿姫が周りを見渡すとクローンは消えていた。 実験台の顔をよく見てみると、見覚えのある顔だった。 「なんだ、お母さんか・・・。」 自分の手で殺したというのにとくになにも感じなかった。 だが一つだけ思った。それは、 「この人を殺しても何も変わらない。自由にはなれない。なにをしても。」 そう口に出してみると、ある疑問が生まれた。 「なのになぜ綺羅は自由を諦めないの?」
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