3人が本棚に入れています
本棚に追加
第7章 終わりの始まり
綺羅はずっと泣いていた。一日中ずっと。
学校へは、行かなかった。椿姫に心配させただろうかと不安になったが。
ピンポーン
インターホンが鳴る。誰だろうか。宏を見えないところに移動させ、玄関口を開ける。
「大丈夫?」
椿姫だった。椿姫の顔を見た瞬間、また悲しくなり、泣いてしまった。
「どうしたの?」
と心配そうに椿姫が言う。
綺羅は思う。これじゃいけないって分かっているのに。強くならなきゃいけないのに。
そうじゃなきゃ。
「奪られ続けるだけだ・・・。」
キャー
外から悲鳴が聞こえる。
「何?」
椿姫が外に出る。
「あれは!」
椿姫のただならぬ様子に綺羅も外に出る。
すると、黒い人のようなものがそこらじゅうにいた。
椿姫が言う。
「あれは私を襲った、禁忌の実験台。しかもこんなに。
あいつのせいか?」
椿姫に聞く。
「知ってるのか?」
椿姫は答える。
「クローンって奴が忌子の実験をしてて・・・。」
忌子の実験か・・・。
宏の死体を思い出す。切り口があまりにもきれいだった。
普通の人間にはできない事だ。そのクローンってやつが犯人か?だとしたら、
「殺してやる。」
最初のコメントを投稿しよう!