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「さっさとと起きろ!」
その声で目を覚ます。周りを見渡してみると鉄の柵で囲まれていた。太陽の光は入ってきていない。ここは、地下牢獄だ。
「学校の準備をしろ。急げ。」
そう言われ顔を洗った。
鏡を見てみると、白い髪、黒い瞳、白い服を着て首輪をし、体に鱗がある少女が立っていた。
自分だ。この世界で一番嫌いな人間だ。
いや、人ではない。化け物だ。鱗のある人間など存在しない。
「遅刻するわよ、椿姫(つばき)。」
と女性の声が上から聞こえる。椿姫・・・。自分の名前だ。苗字は何だっけ。
「早くしなさい。」
行きたくないが、荷物を持ち、しょうがなく上に上がる。眩しい。目が慣れ周りを見た。ごくごく普通の一軒家だ。
そこには女性がいた。自分の義理の母だ。確か甲斐・慶子(かい・けいこ)だったはずだ。灰色の髪をしている。慶子が言う。
「いってらっしゃい。楽しい。楽しい学校へ。」
そう言われ外に出る。暑い。今は夏だろうか?
重い足を引きずり学校を目指す。
「はぁ。また、地獄が始まるな・・・。」
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