第1章 龍の忌子と少年

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同時刻。ある別の場所で、一人の少年が目を覚ます。 「ふぁーーー。」 少年は立ち上がり、自分が寝ていた部屋から出る。和風な家だ。台所に行くと1人の男性がいた。その男性が少年に話しかける 「おう!起きたか綺羅(きら)。」 少年の名だ。苗字はこの人からもらった、如月。紅い瞳で黒い髪。そして、目の下に傷がある。 「おはよ!宏おじさん。」 宏とは、この男性の名前だ。苗字は勿論、如月。ちょっと厳つい中年の男性だ。40歳ほどに見える。宏が言う。 「朝飯できたぞ。ちゃっちゃと食って学校に行け。遅刻すんぞ。」 綺羅が席に着くとトーストと目玉焼きが置かれた。簡素だが、すごくおいしそうだ。 「いっただきまーす!」 あっという間に食べ終わってしまった。 「ごちそうさん。」 綺羅は食器を宏にわたし、リュックを持った。 「行ってきまーす。」 「おう。気をつけてなー。」 綺羅は宏に見送られ学校を目指す。 「今日も楽しむぞ!」 そうして時計の針は狂いだす。
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