1人が本棚に入れています
本棚に追加
なんかニョロニョロしたモンスターが、俺に触手で攻撃をしてくる。
たいして早くない攻撃だが、この俺にかかれば見事にクリティカルヒットする。
マジ痛いんですけど・・・俺は必死の形相で仲間に声を掛ける。
「ファンダーさんヒールを!ヒールを!」
パーティー唯一のプリースト、ファンダーさんがあからさまに嫌な顔をしながら俺にヒールをかける。
先週から冒険を始めたばかりの新米戦士のガイノンさんが、俺を攻撃したニョロニョロを一撃で粉砕しながらみんなに声を掛ける。
「数は多いが大したことないぞ!一気に殲滅しよう!」
「おう!」
そう返事をしながら今日から始めての実践を経験する魔法使いのギゼルさんが、初級攻撃魔法のファイヤーで多数のニョロニョロを一撃で片付ける。
そして俺の剣が、ニョロニョロの触手の一本にかすり、その戦闘力の一部分を奪いわしたが、そいつの怒りを買って強力な触手の一撃を喰らう!。
「ファンダーさんヒールをお願いします!」
場所は変わり、初級ダンジョン近くの冒険者酒場にて・・・・
「アルディ、これは今日の取り分だ」
ガイノンさんが本日の戦利品を冒険者ギルドで換金してきた、それをみんなに分配してくれている。
俺、アルディ・マイヤールはもらった取り分を数え。
「あれなんか多くない?」
「それは選別で少し多くしてある」
「アルディ、悪いが俺たちのパーティーを抜けてくれないか?」
いつものことである、もう何十のパーティーをこうして首になってきた・・俺は必要以上に明るく振る舞い、平気なふりをして言葉を返す。
「あっそうだよね、今日の感じからするとちょっとみんなとは相性が悪いようだから、その方がいいと思ってたんだ」
「みんな短い間たったけどありがとう」
そう言うと、俺は自分の荷物をまとめ、いそいそと酒場を後にする。
酒場から距離が離れれば離れるほど、俺の歩くスピードは速くなる、そして最後には走り出していた。
人気のなくなった大きな松の木にしがみつき、俺は泣きじゃくる。
気がついていた、分かっていたよ俺には冒険者として才能が無い。
冒険者になってもう一年にもなるが、全然成長しない・・・
強くならない・・
冒険者になるのがずっと夢だったけど・・・もう潮時かな・・・
ズバァーーーーン!!
最初のコメントを投稿しよう!