第2話 俺TUEEE!

2/5
前へ
/9ページ
次へ
ニョロニョロしたのが、真っ二つに割れ、さらに炎で焼き尽くされる。 俺の一撃・・俺の一撃でモンスターを倒してる・・ 強い・・強くなってるぞ俺!いや俺の装備が! 初めて強くなった喜びで、有頂天になった俺はダンジョンの奥にどんどんと進んで行く。 「ギーグさん・・ありがとう!この剣があれば・・この剣があれば・・」 そんな調子で進んでいると、気がつけば第一階層のかなり奥まで来ていた。 さすがに一人でこんなところまで来ると、怖くなってきたのでそろそろ帰ろうかと考え始めた時。 ぽちゃん・・ なんか音がしたのでその方向を見る。 広い円状の部屋の角に、淀んだ水たまりが見えた。 恐る恐る近づくと、水面に波紋が広がる、波紋が水たまりの前面に広がったと思ったその瞬間、水の中から何者かが飛び出してきた。 「ゲェロゥー」 カエルだ!でっかいカエルが出てきた。 「フッ・・この俺が昨日までの俺と一緒だと思うなよ!」(正確には装備が!) カエルは長い舌を使い、攻撃してくる。 それを軽やかに避けようとするが、思いの外早い! 足を舌に巻き取られ、カエルの方向に引きずられていく。 ズズズズゥ・・カエルの口に食われる寸前で、剣を凪いで横腹を切りつける。 切り口から炎が広がり、悶絶するカエル。 なんとか舌を足から外し、立ち上がったところを燃え上がるカエルが体当たりしてくる。 ドス!鈍い音とともに前のめり倒れる俺・・・うわ痛い・・・めっちゃ痛い・・ 「ぐぅあーーー!」 しかし痛みを耐えてカエルの頭に剣を突き刺す。 カエルの口から炎が噴き出し、動かなくなり、黒い霧となり消える。 やった・・倒した、そこそこ強そうなモンスターを一人で倒したぞ! さらに嬉しいことに、倒したモンスターからアイテムドロップ! うぉぉ・・・これはなんだ、5センチくらいの紫色の玉だ・・よくわからないけど、とりあえず冒険者ギルドに持って行こう。 「しかし・・痛い・・すごく痛い・・ヒールが欲しい・・・」 「防具は変わってないからな・・・今度は防御力を上げないと・・」 俺は痛みを堪えながらダンジョンの出口へと向かう。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加