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ニョロニョロしたのが、真っ二つに割れ、さらに炎で焼き尽くされる。
俺の一撃・・俺の一撃でモンスターを倒してる・・
強い・・強くなってるぞ俺!いや俺の装備が!
初めて強くなった喜びで、有頂天になった俺はダンジョンの奥にどんどんと進んで行く。
「ギーグさん・・ありがとう!この剣があれば・・この剣があれば・・」
そんな調子で進んでいると、気がつけば第一階層のかなり奥まで来ていた。
さすがに一人でこんなところまで来ると、怖くなってきたのでそろそろ帰ろうかと考え始めた時。
ぽちゃん・・
なんか音がしたのでその方向を見る。
広い円状の部屋の角に、淀んだ水たまりが見えた。
恐る恐る近づくと、水面に波紋が広がる、波紋が水たまりの前面に広がったと思ったその瞬間、水の中から何者かが飛び出してきた。
「ゲェロゥー」
カエルだ!でっかいカエルが出てきた。
「フッ・・この俺が昨日までの俺と一緒だと思うなよ!」(正確には装備が!)
カエルは長い舌を使い、攻撃してくる。
それを軽やかに避けようとするが、思いの外早い!
足を舌に巻き取られ、カエルの方向に引きずられていく。
ズズズズゥ・・カエルの口に食われる寸前で、剣を凪いで横腹を切りつける。
切り口から炎が広がり、悶絶するカエル。
なんとか舌を足から外し、立ち上がったところを燃え上がるカエルが体当たりしてくる。
ドス!鈍い音とともに前のめり倒れる俺・・・うわ痛い・・・めっちゃ痛い・・
「ぐぅあーーー!」
しかし痛みを耐えてカエルの頭に剣を突き刺す。
カエルの口から炎が噴き出し、動かなくなり、黒い霧となり消える。
やった・・倒した、そこそこ強そうなモンスターを一人で倒したぞ!
さらに嬉しいことに、倒したモンスターからアイテムドロップ!
うぉぉ・・・これはなんだ、5センチくらいの紫色の玉だ・・よくわからないけど、とりあえず冒険者ギルドに持って行こう。
「しかし・・痛い・・すごく痛い・・ヒールが欲しい・・・」
「防具は変わってないからな・・・今度は防御力を上げないと・・」
俺は痛みを堪えながらダンジョンの出口へと向かう。
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