開店準備室 カコ

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「あっ、碧山さ―ん、 メニュー、決まったの―?」 白いペンキ塗りの格子の木枠に、すりガラスの入ったパーティションのむこう、 ついさっき、終わったばかりの面接資料を、 オレンジ色の透明ファイルに挟みながら グリーンの尖った細長く垂れた葉の下から、ちょっこっと顔が覗く。 くっきりと上がり気味の眉に にっこり 口角の上がった、艶々の唇。 ぷっくり上がった頬は、 ほんのり上気したように ピンク。 ブラウンの柔らかそうな髪が、 さらりと揺れた。 「亜衣ちゃん、見る?」 すぐ隣から声がしたと思ったら すーっと右頬に風を感じた。 ペタペタと ダークブラウンのしっとりとしたフローリングに、サンダルの音を響かせながら、 ぐんぐん遠ざかる 白い 広い 背中。 大きな窓から差し込む陽の光りに 余計にキラキラと光る 金色のメッシュの入った アッシュブラウンの髪。 ライトグレーの スーツパンツ、 ボタンダウンの白いシャツ、 足元には赤い靴下!? に 黒いシャワーサンダル。 その足元に目を奪われていると、 「お疲れ様~。」 後ろから声をかけられた。
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