お墓に眠るもの

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「あぁ、ところで」 鬼に連れられ、次の裁判に向かおうとした私を大王が呼び止める。 「主、『墓場まで持っていく』と他人に言っていた秘密があったそうだが、それはなんぞな?」 判決が決まった後の大王の質問。 下手な事を言えば、判決が覆るかもしれない。 さりとて、嘘を言うわけにもいかない。 困った自分はこう答えた。 「それは、墓場に置いてきました」 「さようか」 一言だけそう言うと、大王は次の死者に向き直り、自分は次の裁判へと連れられた。
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