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十王の裁判を無事に終え、結局、奉仕活動三年がそのまま決まった自分は、あるお寺で住み込みで働く事となった。
外には知られていないが、お寺が自分のような存在を受け入れることは多々あるそうだ。
仮初めの身体に心を宿し、修行僧としての日々を過ごす毎日。
生前の記憶も薄れつつあるものの、それでも、『この生は三年だけ』という事だけは忘れていない。
そしてある日、私はいつものように寺の掃除をしていると、あるお墓が目に留まった。
『皆星家』
なぜかわからないが、不思議な気持ちに誘われ、その墓碑に手を触れると、忘れていた"何か"が頭の中に入ってくる。
そして、次の瞬間には自分は寺の境内から、見覚えある場所にいた。
そして、目の前には閻魔大王。
「さて、墓場に忘れた物は持ってきたか?」
大王の厳しい声が胸に突き刺さる。
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