トートバッグが……

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´  トートが差した(?)先をキーコとアニーは眺めました。 「姉さん、あの街に住む人は二万四千五百三十二人って映し出されたよ」 「そうかい」 「二万四千幾人の中からどうやって捜すのさ?」 「どうやって捜すのですか、キーコさんっ!?」 「え、うん…… アニーと姉さんとは血の繋がった姉弟だから、 アニーの血の成分と姉さんの血の成分は大方一致する筈だよ」 「僕と姉さんとは血液型はOで、僕が怪我をした時に血を貰ったことあるよ!」 「それでどうなさるの、キーコさんっ!?」 「う、うん…… ここにアニーの血液のデータがあるわ。 このデータを信号に換えて、点滅する全ての血液に当てるのよ!」 「するとどうなるんだ?」 「どうなりますの、キーコさんっ!?」 「うん、トート少し離れてくれないかなぁ。 アニーの血液と一致しないものは、点滅が消えるんだ」 「一致したら!」 「どうなりますの、キーコさんっ!?」 「うん、トート離れてってば! 一致したら赤く光り輝くんだよっ!!」  アニーとトートはフロントガラスの映像を見入りました。 「それじゃ当てるよ」  キーコは複雑な気持ちでスイッチを入れるのでした。   パチッ ´
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