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「えっ!!」
キーコとアニーは辺りを見回して、顔を合わせました。
「今、誰か僕たちの名を呼んだよね、姉さん!?」
「うん、呼ばれたわね」
キーコはおかんの言った言葉を思い出していました。
………それはトートに会ってのお楽しみ………
「トート……今あたしらを呼んだのトートなの!?」
トートはふわふわ舞い降りて、二人の前に現れました。
「キーコさんしばらくでしたね。逢いたかったわ。
(アニーを振り向き)
アニーさん、ナズナさんや子……あ、」
「ん、トート、その話しはそこまでよ。
処で、トートって女だったのか?」
「ええ…女でしたわ。
おかん様から喋れるようにして頂きました」
「何か色っぽいけど、それは良かったなトート。
それで先ほど僕にナズナがどうたらと……ナズナって誰だい?」
「それは……」
「アニーそれは誰じゃなくて犬さ、柴犬の。
その柴犬の名前がナズナで……子を、子を産んだんだよ!」
トートもキーコ同様に別世界から、おかんに連れ戻されたのでした。
「ふ~~ん……
でも、トートは何か変だよ、だって前と違って何もかもが新品だしさ」
「おかんに新品してもらったんだよーーー!!」
「……なにも怒鳴らなくても」
「あ、ごめん……あは あたし可笑しいね」
アニーは納得いかない様子で、キーコとトートを見るのでした。
「……さあアニー、お前の姉さん捜しに出掛けようか」
と言って、アニーの肩を叩いたキーコは、白い歯を覗かせたのでした。
「ちょっと待って、私お腹空いたわ」
トートは二人の頭上をぐるぐる飛び回りながらそう言うのでした。
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