トートバッグが……

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´  四駆はしだいに速度を増して一直線に進んで行きました。 「秒速二百メートルの速度について来られっかなトートは?」  アニーは得意気な笑みを浮かべて、そう言うのでした。 「アニー上だよ」 「上……?」  アニーは傾(かし)げた首をフロントガラスに寄せて見上げました。 「ああっ!」  アニーは寄せた首を元に戻して、キーコを振り向きました。 「姉さん、トートの奴並んで飛んでるよ!」 「並んで?   アニー前を見てみなよ」 「えっ」  アニーが首を戻して見たものは、トートが茶化しながら追い越して行く姿でした。 「まじかよ」 「やはり新トートはちがうわね。アニー運転替わろうか?」 「結構です」  アニーはそう言って速度を増しました。 「おっ、見えてきた、見えてきた!」  アニーは更に更に速度を増しました。 「トート! この四駆は、速度にはまだまだ余裕があるんだぜ~~~!」  四駆はトートに近づき、並び、そして追い越しました。 「どうだーーーいっ!   (振り向いて) 姉さん、トートなんか軽いもんだろ!」 「どうかな……」  アニーが前を向くと、直球ボールが伸びるようにして四駆を追い抜くトートの姿がありました。 ´
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