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私は子供の頃からこの現象に悩まされてきた。
だが、これは誰にも話せなかった。
いや、話してはいけないのだ。
私はちらりと後ろを向く。
大量の影。そこに、人間大の影の姿がいくつかある。
あれは、私が相談しようとした人間の末路だ。
私が話そうと決めた直後に彼らはああなった。
そうして、今も私を見つめ、遠巻きながらに責め立てる。
だから…このことは誰にも言えない。
誰にも言ってはいけないのだ。
…おそらく、これは業なのだろう。
…死ぬまで背負う、業なのだ…。
私は暗い気持ちで踏切を渡る。
大量の視線をその背に受けながら…。
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