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タキを連れて来なければ良かった。
無駄にタキを傷付けてしまった。
せめてひと目合わせてやろうと思ったのに。
ひと目……
「……そうじゃ」
青鬼は、もう一度ぐるりと父親へと向きを変えると、父親はひいっと叫び、持っていた心張り棒を体に掻き抱いた。
攻撃を加えようと心張り棒を手にしたのは青鬼も分かっていたが、そんな事はどうでも良かった。
青鬼は冷や汗をだらだらと流す父親の左目へと指を伸ばした。
「ひとつ、くれ」
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