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地面に倒れこむ寸前に抱きとめると、タキの背中に
竹槍が深々とのめり込んでいるではないか。
「タキ!!」
タキ自身も何が起きたのか分からないのか、青鬼へと驚愕に満ちた顔を向けた。
「ゴンベ、なんでか、いてえ」
引き抜こうと竹槍に手をかけるとタキがぎゃあっと悲鳴をあげる。見れば腹の方へ切っ先が飛び出て、ぽたぽたと血が溢れ始めている。
何が、どうしてこんな事に?
竹槍の飛んできた方に目を向けると、もう来ないと伝えたはずのタキの父親が、夜叉の笑みでこちらの様子を伺っていた。
「ここだ! ここに居たぞ!!
タキだけでなく、おらの目ん玉まで奪った鬼だ!」
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