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小さな体を運ぶのは、苦労する。
ちょっとの力加減で壊れてしまいそうだから。
小屋の板間にそっと降ろすと、青鬼はホッと一息ついて、自分もごろりと横になった。その途端、腐った床板が軋んで、幼女がふええ、と泣きそうになる。
慌てて青鬼はそっと、そっと、幼女の背中をたたいた。多分、こうすれば泣き止むはずだ。前ににんげんの女が子供にやっていた。
するとやはり幼女は落ち着いてすやすやと寝息を立てる。
……さて、どうしようか。
もう一度、そう思いながら、青鬼も眠りに落ちていた。
しばらくして
朝告げ鳥がひとつ鳴き、隣の幼女の身じろぎで青鬼は目を覚ました。
「……はっ」
幼女はすでにぺたりと座って顔を擦っている。
「だ、だいじょうぶか。おめ、どっから来た?」
怯えないように、ゆっくり体を起こして小さな声で聞いてみると、幼女は顔を擦る手を止めて、青鬼へと顔を向けた。
……その目の動きで、青鬼は気付いた。
「……おめ、目が見えねえのか……?」
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