泣いた青鬼

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「……俺の顔など見んでええ」 「なぜじゃ」 「俺は……醜い」 その一言で、タキは青鬼の肩に座ったまま、青鬼の顔をぺたぺたと触り始めた。顔の上を這い回る小さな手にジッとしていると、タキは「大丈夫じゃ」と笑った。 「ゴンベは、優しい顔をしとる」 優しい声色に、青鬼は込み上げるものをグッとこらえた。 「……おとうと、おかあに会いてえか」 真っ白な月は赤松から離れて更に上へと上がる。 上へとあがり、もう松の小枝も届かない。 でも、月は遠くでも松を照らしてくれる。 離れても、そこに居る。 そこに居るなら、それで良い。 タキが小さく、けれどはっきりと言った。 「会いてえ」
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