77人が本棚に入れています
本棚に追加
「いや中々清楚だよ、さすがにTバックだと引くけどさ、今時のギャルに比べたら全然隠してる方だと思う」
そういう妹はワンピースなのでお腹周りも隠れているし、背中は少し覗いてるが、紺地に小花柄で可愛くてちょっと羨ましかった。
「木村さんはさすがのチョイスだよ、胸が無い事もお見通しで胸元はリボンで誤魔化してある」
下着も木村さんに準備して貰ってるので、スリーサイズも含め、色々と把握されている。
上に薄いパーカーまで準備されていて、移動時の配慮もさすが女性だと感心するばかりだ。
「イナリ大丈夫かな、あの犬大きかったし」
「大丈夫だよ、滋さんやリーダーもいるし喧嘩になったら止めるでしょ」
着替えを済ませるとイナリが気にかかり、足早に脱衣場を出ると、お座りして入り口でいい子に待ち構えていた。
「瑠里、イナリ待ってた!」
さすがだねと妹も後から出て来たが、パーカーの上からタオルを首に下げ、折角の可愛い水着が台無しな感じになっている。
『オッサンみたいなんだけど……』
あえて口には出さずにおいたが、正面を見ると海パン姿の男性陣が座って雑談をしていた。
「お待たせしました」
声を掛けると全員振り返ったが、さすがに日々鍛えてるだけあって、身体は引き締まり細身だけど逞しく思える。
秋月さん親子も鍛えたような体つきなのは疑問だったが、ここに啄がいたら完全にオチとしてイジラれそうな光景だった。
「女性の水着姿ってテンション上がるね!」
嬉しそうな滋さんに比べ見ないようにしてるリーダーに笑いが出そうになるが、秋月の息子さんも同じ反応なので、純粋なんだろうと心で思った。
「さて、参りましょう」
全員で移動している時、ふと皆がどの位置に刻印があるのか気になりリーダーの所に駆け寄った。
「うわっ、ビックリさせんなよ」
過敏に驚く反応はスルーし、刻印がどこにあるのか聞いてみると、リーダーは首の付け根と内腿らしい。
「二か所あるんですか!」
思わず覗こうとすると逃げるように「ヤラシイな!人の股を覗くな!」と必死にガードされ見せて貰えなかった。
中に入ってみると、面積の半分がガラス張りで浴室からは海の景色が広がっている。
外風呂もあり眺めも良さそうだったが、イナリは前足でシャワーをポンと押し、かけ湯をしてから犬専用の場所にそっと入っていた。
最初のコメントを投稿しよう!