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「可愛いけど強くていいキャラをお持ちだ、私も変わり者と言われますが、アナタはとても面白い」
「あの、面白キャラなら妹の方が遥かに上ですよ」
秋月さんは妹に目をやると、本当にユニークな姉妹ですねと言われたが、タイミング悪くタオルは泥棒みたいな巻き方になっている。
しかも後ろにイナリと秋月さんの犬を連れていて、見ているのがちょっと恥ずかしい位だ。
「秋月さん、あの、あれは……」
もう少し普通の状態の時を見て欲しかったので、視線を逸らして貰おうと慌てて呼びかけた。
「照ちゃんでいいよ、ふふっ、ウチの犬も楽しそうだ」
呆れられるかと思ったが、楽しそうに笑う照ちゃんにホッ胸を撫で下ろした。
ふと刺すような視線を感じ、何気なく辺りを見るとリーダーと八雲さんと社長がジトッとした目でこちらを睨んでいた。
「ちょっと、じじいの分際で十代の女子口説いてない?イミフー!」
「それは困る!俺のチームの必須人物だからな」
距離が近いし百合ちゃん何気にお尻触られてたらどうすると、面倒くさい三人の登場に照ちゃんは溜め息を漏らして立ち上がり息子さんの方に移動した。
「私も和音もたまにそちらの世界に行く時があるから、今度ご飯でも食べに行こう」
ダメだその時はワシも同席すると、人を無視してキツネが即座に返事をする。
「お前らとは関わりたくない、新作見せる時にどーせ顔合わせるだろが」
「月影姉妹は変わり者に好かれるから、危険だとゆーとるんだ!」
「お前が一番変わってるだろーが!」
じじい達のお湯かけ合戦が始まり、私達まで巻き添えをくらい出したので、露天風呂側へ移動する事にした。
「移動した方がいいですよ?」
頭までお湯を被り被害が大きい和音さんに声を掛けると、黙って後について来た。
ドアを開けて外に出ると夕焼けに染まった空と海が見え、少しロマンチックな色合いだ。
「綺麗ですね……」
長く浸かっていたので風が身体を冷やしてくれて涼しいし、もう少し景色を見ていたいと思っていると、ザバーンとこちらでも水しぶきが上がっていた。
瑠里とイナリと秋月さんの犬でお湯かけっこをしているが、他に客がいないからいいものの、コイツらには鑑賞に浸るという言葉はないらしい。
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