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「今日は一人にして」
「……」
俯いているあたしにも、俊ちゃんの視線が自分に向いていることがわかる。
お願い……。
今は、とにかく一人になりたい。
だから、早く部屋を出ていって。
「……わかった」
そう言った俊ちゃんが立ち上がる気配を感じて、そっと顔をあげる。
そのまま部屋を出ていこうと歩き始めた俊ちゃんの背中をじっと見つめた。
そしてドアの前でふと足を止めた俊ちゃんは、こっちを振り向かずに
「明日また来る」
そう言ってから出ていった。
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