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「心配してくれるのは嬉しいけど……」
「口説かれそうになったら、俺の名前出して。早めに釘を指しておかなきゃ」
「そんなことまでしなくても……」
「ダメ。それが約束できないなら看護師なんて認めない」
この人は何に対して反対しているのだろう。結局、久呂武さんもダメだし、私に近付く男性は皆気に入らないのだろう。職場には少なからず男性がいるものだし、そんなことを言われてしまえば、看護師と言わず、どこでも働けないではないか。
「わかった。ちゃんと洋に相談する」
せっかく久呂武さんの店に行くことくらいは許してもらえそうなのに、これ以上いろんな事に制限されるのも面倒なため、私はそこにはおとなしく従う事にした。
「絶対だよ? 凛は俺のなんだから」
「わかってるよ。私も洋しか好きじゃないから」
私の顔を覗き込んで言う洋にそう伝えれば、洋は満足気に微笑んで、私を抱き締めた。洋の匂いがして、心が満たされるような気がした。
とりあえずは後1ヶ月勉強して、東大を受けるつもりだ。そして、第一希望は専門学校の方。こうして洋からの承諾も得られたということで、私は一層やる気が増すのだった。
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