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『陸攻。
お前がこれを読んでいる頃、俺様は多分もうこの世にはいない。
この手紙は、俺様からお前への最期の命令だと思って読んでくれ。
俺様がお前の夢枕に立つまで、この事は誰にも言うんじゃねぇぞ。
…と言いたい所だが、特別にキジムナーとお静ちゃんにだけは教えてもいい。
もしこの事をキジムナー夫婦意外に喋ったり、俺様の後追い自決なんざしたりしやがったら、幾らお前でもたっくるす(ぶっ殺す)から覚悟しておくように。
そうそう、お前の誕生日パーティーには必ず行ってやるから心配するな。
じゃあ、またな陸攻。
一番出来の悪い癖に一番生意気な、俺様自慢の弟へ。
俺様より。
あの世の入口付近にて』
…と記した手荒く彼らしい書き置きを、一番目をかけていた曾孫娘のはるに託して。
享年104歳。
何とも彼らしい大往生であった。
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