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ほんの一瞬だけつらそうな表情を見せながら嵐山。
やがて陸攻が口を開いた。
「…そうだな。
済まん嵐さん」
「分かればええ。
今から気ぃつけや。
あんましニィニィ困らせんなや。
勿論おはるちゃんもやで?」
嵐山はそう言って笑うと、ホームセンターサヤマ食品館にて買い求めた折り詰めと飲み物を、片っ端から石の上に置き始める。
その内心にて
(愚痴も長話どんと来んかい親友。
おもろいやんけ。
徹底的に付き合うたる)
…と、何度も何度も繰り返しながら。
それを知ってか知らずか、一式翁がゆっくりと口を開く。
「嵐さん…
陸攻とくるみちゃんにも黙っていなきゃならんのかな?」
「気持ちは分かるけど、ニィニィは自分への最期の命令て言うとうねやろ?」
敢えて過去形ではなく現在進行形にて嵐山。
その事からも、一式翁程表立ってはいないものの嵐山の心も揺れていることが窺える。
「ああ」
「あほ。
ほな、あかんに決まっとうやろ。
ワイと静乃もまだ黙っとうさかいに、自分も辛抱せんかい」
「そうだよな…
ニィニィとの約束だもんな…」
「そういうこっちゃ。
ほな、まずはごまだしと握り飯からいこか」
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