この愛はきっと君には重すぎる-2-

ハジメテの夜

『お金さえもらえば、誰にでも甘い顔をして優しい声で囁ける男なの。
　貴女の目に映る彼の全ては、偽りの姿よ』

不意に、先日聞かされたミナの言葉が脳裏を過った。
誰にでもこんな風に囁くのだろうか。

否、さっきから蓮登は優しい言葉なんて一言も囁いてない。
それは私が特別だから――？
それとも、特別じゃないから――？

「――誰にでも、こうやって口説いてるの？
　それとも、もっと――優しくしてる？」

不安を隠せない声でそう問われた蓮登は驚きで形の良い瞳を見開いた後、クッと喉を鳴らして笑った。