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「ねぇ、蓮登さん。
お願いがあるの」
「何?」
ものすごく当然のことのように、何のためらいもなくほどいたネクタイで奏の手首を頭上で縛りながら蓮登は優しい笑みを浮かべたまま首を傾げる。
「優しくしてほしい。甘い言葉を聞かせて?」
そう強請ったら、彼はどうするだろう。
逆に彼の方が、私のことを手放してしまうのではないか。そんな不安を胸に抱きながらも聞いてみた。このまま、玩具で弄ばれて嬉しいわけがない。
不安で揺れる瞳で見つめる奏の艶やかな黒髪を、蓮登の白魚のような指が優しく撫でた。
「いいですよ。可愛い奏。
とびっきり優しく骨の髄まで溶けるような、甘いご奉仕をさせていただきます。
その代りに、どこまでも登り詰めるあなたの淫らな姿を余すことなく、この灯りの下で見せてくださいね。零れ落ちる喘ぎ声も、全て聴かせて。
そして、誰が貴女にその快感を与えているのか、一時も忘れないように私のことを見つめ続けてくれないと嫌ですよ」
つい先ほどまで、ホストクラブで使っていたのと同じ声音(こわね)、同じ口調。
唇で、奏の身体を優しくついばみながら、いくつも淫らな紅い痕をつけながら、指先は奏の胸の頂を優しくもみしだいていく。
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