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気持ち悪さと、くすぐったさと、違和感。
それが時折気まぐれに玩具が揺れ出すことで、知らない感覚をもたらしていく。
違うの。
私をこうやって痺れさせてほしかったのは、こんな道具じゃないの。
でも、今から仕事に出かけると言う人の邪魔をするわけにはいかない。
「そんな顔して煽らないで、奏。
時間をかけて壊したいんだ、大切な人だから」
蓮登は子供を宥めるように優しい口調でそう言うと、がしゃっとカギをかけて出かけて行った。もちろん、中から開けることはできる。でも、こんなモノを入れたままどこに行けって言うの?
誰かに助けを求める?
でも、そうしたら二度と蓮登とは逢えなくなるのは確実だった。
奏の思考を邪魔するように、またバイブレーションが一際強くなった。
「ふ、うわぁあんっ」
立ち上がっていた奏は、言葉にならない声をあげたまらずしゃがみこむ。
それでも、今まで触ったこともないところに指を突っ込んで取り出すのも怖くてできなかった。
下着がべっとり濡れているのは良く分かる。
気まぐれにかき回されても、「イク」を知らない奏はそこから解放されることはない。
ただ、ぐずぐずと体内を無秩序に引っ掻き回され、ハジメテの微量な快感――快感、なのだろうか。時折不快にも思えるこの感覚――に酔いしれるほかないのだった。
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