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「その飯塚って男、どんなヤツなの?」
「よく知りませんよ、見た目は超男前ですけどね。中身はわかりません」
「ふむ」
「でも理さんが好きになるぐらいだから、悪い人じゃないと思いますよ。笑うと優しい顔になるし」
「笑うのか」
「僕らコンビニ君には眉間にしわよった顔しかみせませんけどね。理さんには柔らかいですよ」
「ハルはけっこう観察力があるな。決めた」
今度は何を?
「スパイ決定。サトは3週間に1度髪切りにここにくるから、ハルもついてきなさい。その時報告すること」
「何をってわかりきってますが、いちおう聞きます、報告って?」
「もちろん、その男前の近況にきまってるだろ」
「コンビニ買い物風景以外報告できませんよ?」
「それで十分だ、決まり」
「……はい」
どうやって抵抗しろというのだ、この人に。
「じゃあ依頼主になるので、すいませんが名前を教えてくれませんか?僕なんて呼べば?」
「僕は由樹なんだけど。両親と紗江が由樹ってよぶから、それはダメ。サトがよし兄って言ってるからそれもダメ。それ以外ならいいよ」
「わかりました、じゃあタケさんで」
「……は?」
「婿養子で使い慣れてない苗字、あえて使わせていただきます」
せめてもの俺の反抗だ!ざまあみやがれ。
スコーン!!!!
「上等だ。ハル、お前面白いな。気に入った」
チュッ……ほっぺにキスをされました。理さんに渡したクランキーがきっかけで僕の世界が広がってしまった……気がシマス
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