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「さすがよし兄~!」
「どお?この若造の本質をさらけだしましたって感じにしてみた」
俺のクシャっとしたくせ毛風の髪は刈り込まれ、長めに残されたトップ部分はパーマがかけられていた。
「正明みたいな顔だったら俺がしたい髪形だ、これ」
「たぶん、いけるよ、サトでも」
「ほんと?無職になったらしようかな」
どうでもいいですが、当事者不在の会話やめてもらえますか。
「サト。どこでコレみつけてきたの?」
「みつけたっていうか、コンビニのバイト君」
「ほお」
お義兄さん、どうでもいいですが理さんに触りすぎじゃないですか?けっこうねばっこい触りっぷりですけど?
「バレンタインにチョコくれた」
「チョコ?」
お義兄さんの視線が怖い……です。
「俺と友達になってくれたんだ。正明に救われてね、感謝してる」
おかしくないですか?なんでこんな子供みたいな甘えんぼモードなんですか?素直に何でも言っちゃってるし!
「なに顔しかめてんだ、ハル」
勝手にハル呼ばわりしているし。
「サト?さっき無職になったらって言ってたけど、そういう予定があるわけ?」
そういえば、そんなこと言ってたような気がする。
「姉ちゃんの様子みてくる!」
理さんはそう言い残して出て行ってしまった。さてと……この怖い人と二人きりにされて、僕にどうしろというの!
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