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電気を消した。
暗闇の部屋の中。
カラカラカラと音を立てて引き戸を開けた。
日光で色あせたスリッパを履いて、私は夜のベランダに出た。
まん丸お月さん。
今日も、月が綺麗ですね。
左手に缶ビール。曲げた左肘に柿ピーの入った小鉢を挟んで、右手でバリボリと柿ピーを頬張った。
弟の部屋。
弟から借りたスウェットを着て、冷蔵庫に入っていた缶ビールと、その辺にあったつまみを勝手に拝借。
だけど部屋の主はいなくて、私一人がこの部屋を陣取っていた。
そもそも私がここに来たのは、料理が出来ない“義弟”の為に“継母さん”から頼まれて、わざわざ仕事が休みの日に来てやったっていうのに。
肝心の弟は居酒屋のアルバイト。
今晩も日付が変わるまで帰ってこないらしい。
あたし、お腹減ったんだけどー
居ない相手の変わりに、眼前のお月さんにでも文句を言いたい。
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