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“わりぃ、もう切る。……最後に、俺、楽しかったよ。陽菜と一緒にいられて、陽菜と同じ時間を過ごせて。……じゃあな”
そう言って、ぷつっと切れてしまった。
「陵! 待って!」
と叫んだけれど、その声は陵には届かなかった。
どうしよう……。
傷付けた。
陵は何も悪くないのに。
あたしがはっきりしなかったせいで。
体育座りのまま、膝に顔を埋めてわんわん泣いた。
いつの間にか、あたしの横に座っていた俊ちゃんは、あたしを包み込むように抱き締めてきた。
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