第20話 対面

2/17
1096人が本棚に入れています
本棚に追加
/515ページ
━━━次の日。 朝起きると、スマホがLIMEの着信音を鳴らした。開くと香登からで、鳳龍の集まりに関することだった。 ミカが鳳龍に入ることになった日から、連絡を取るために教えろと言われ渋々教えたのだ。 メッセージの内容は時間と集合場所だけで、用件は書かれていなかった。 だから、どうしていつも用件を書かないかな、あいつは。 怒っても無駄だとは分かっているが、毎回こうではイラつきもする。 10時に指定場所である倉庫に向かう。今はもう使われていないので、集合がかかるとここに集まることがほとんどだ。 集まる場所はどこでも構わないけど、ここだと歩いていくのに時間掛かるから面倒なんだよな。 集合時間の十分(じゅっぷん)前には着いたのに、自分以外の全員がもうすでに来ていた。 扉を開けて一歩踏み入れた瞬間、視線が一斉にこちらを向く。少しどこかの宗教のように思えて、若干ホラーだ。 全員が揃ってるなんて珍しい。いつもは幹部だけなのに。 「よぉ、天羅。久しぶりだな」 一番奥から聞こえてきたのは香登の声だ。 昨日会ったばかりなのだから、本当は全然久しぶりではないが、彼はミカを〝天羅〟と呼んだ。確かに、鳳龍の一員としては会うのは久しぶりなので、それを訂正する義理はない。 香登はソファーに座っていて、他は各々のバイクの横に立っていた。 香登が座るソファーに近寄ると、大人数の中から四人だけが前に出てくる。
/515ページ

最初のコメントを投稿しよう!