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━━━次の日。
朝起きると、スマホがLIMEの着信音を鳴らした。開くと香登からで、鳳龍の集まりに関することだった。
ミカが鳳龍に入ることになった日から、連絡を取るために教えろと言われ渋々教えたのだ。
メッセージの内容は時間と集合場所だけで、用件は書かれていなかった。
だから、どうしていつも用件を書かないかな、あいつは。
怒っても無駄だとは分かっているが、毎回こうではイラつきもする。
10時に指定場所である倉庫に向かう。今はもう使われていないので、集合がかかるとここに集まることがほとんどだ。
集まる場所はどこでも構わないけど、ここだと歩いていくのに時間掛かるから面倒なんだよな。
集合時間の十分前には着いたのに、自分以外の全員がもうすでに来ていた。
扉を開けて一歩踏み入れた瞬間、視線が一斉にこちらを向く。少しどこかの宗教のように思えて、若干ホラーだ。
全員が揃ってるなんて珍しい。いつもは幹部だけなのに。
「よぉ、天羅。久しぶりだな」
一番奥から聞こえてきたのは香登の声だ。
昨日会ったばかりなのだから、本当は全然久しぶりではないが、彼はミカを〝天羅〟と呼んだ。確かに、鳳龍の一員としては会うのは久しぶりなので、それを訂正する義理はない。
香登はソファーに座っていて、他は各々のバイクの横に立っていた。
香登が座るソファーに近寄ると、大人数の中から四人だけが前に出てくる。
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