1096人が本棚に入れています
本棚に追加
/515ページ
少女が鳳龍に入ることが決まって五日後にメッセージを送った。
コンビニで待ち合わせをして、バイクの後ろに乗せると鳳龍の集合場所に向かう。
扉を開けて中に入ると、幹部である四人を紹介した。
他のメンバーに紹介するには、まだ時間を置いた方がいいと考え、少女には鳳龍のメンバー全員が映った写真だけを見せた。
その後、四人が少女に挨拶をする。そこで膝をついた。
ほとんど変わらない少女の表情が驚愕と戸惑いの色に変わる。
膝をつくという発案をしたのは、悪ふざけが好きな結城だ。
いつも無表情でいるあいつに、何かモヤモヤして仕方なかった。
だから、何でもいいから驚くようなことを考えて出たのがコレだった。
さすがにコレはどうかとは思ったが、そういう奴はコレくらいしないと無理だと押し切られ結局決定してしまった。
本当に冗談のつもりで、ある程度の月日が経てば真実を話すつもりだった。
しかし、なかなか言い出すことができず、初代総長と対面する日まで嘘は続いた。
こんなことになるのなら話しておくべきだった。いや、余計なことを考えるべきではなかった。
けれども、後悔してももう遅い。後悔してどうにかなるのなら気が済むまで後悔する。
でも、現実はそうはいかない。
だから、今度は嘘じゃない。全部本当の姿であいつと真っ正面に向き合う。
最初のコメントを投稿しよう!