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一抹の不安に襲われている中、いきなり背後から両肩をガッチリ掴まれた。
「きゃっ!?」
「ふーかちゃん、おはよっ!」
心臓が飛び跳ねた瞬間聞こえてきたのは、大河君の陽気な声だった。
「たっ、大河君!?」
「おはよー」
いつもの人懐っこい笑顔で挨拶されるも、いまだに心臓はバクバクいっている。
あっ……そっ、それよりも大河君が今来たってことは、保坂君も……?
心臓はバクバクいっているけれど、恐る恐る大河君の背後を見るものの、いつもいるはずの保坂君の姿は見当たらなかった。
あれ?
いつもは大河君の後ろにいるはずなのに、どうしていないの?
顔を合さずに済んでホッと胸を撫で下ろすも、もしかしたら私と会いたくないからかもしれない、という不安に襲われる。
でもそれは違ったようで、大河君が面白そうに話し出した。
「そうだ聞いてよふーかちゃん!あの竜がなんと風邪でダウンしちゃったらしいよ」
「風邪?」
嘘、保坂君が?
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