保坂クンにも、私のことを好きになってもらいたいんです。

2/22
前へ
/340ページ
次へ
眩しい日差しがカーテンの隙間から差し込む。昨夜はほとんど眠れなくて、頭が重い。 それでもどうにかベッドから起き上がり、日差しが差し込む窓の方へと向かった。 昨日の雨が嘘のように眩しい日差し。そっとカーテンを開けると、雲ひとつない青空が広がっていた。 眩しさに目を細めながら見てしまうのは、窓越しに見える保坂君の部屋。 固くカーテンが閉じられていて、部屋にいるのか、既に朝練に出てしまったのか分からない。 「朝なんて、きてほしくなかったな」 ギュッとカーテンを握りしめた。 昨日はお風呂に入ってそのままベッドの中に潜り込んだ。 両親がお土産にケーキを買ってきてくれたけれど、とても食べられるような状態じゃなくて、とにかくひとりになりたくて堪らなかった。
/340ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2109人が本棚に入れています
本棚に追加