保坂クンにも、私のことを好きになってもらいたいんです。

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驚く私を他所に大河君はポケットの中から、スマホを取り出した。 「そー。なんか高熱にうなされているみたい。しばらく学校来られないかもってさ」 「そう、なんだ……」 なんだろう、この気持ち。 ホッとしたような残念なような……。 それよりも保坂君、大丈夫なのかな? うちと同じように保坂君の両親も共働きだし。 絶対昨日の雨が原因だよね? だって会った時には既に保坂君はズブ濡れだったし。私より雨に打たれていた時間は長かったはず。 すぐにお風呂に入らなかったのかな? 高熱って一体どれくらいあるんだろう。 次々と心配事が浮かんでしまう。 「ふーかちゃん?教室入らないの?」 「あっ、うん」 先に歩き出した大河君の後を追って教室に入るも、保坂君のことが心配で仕方なかった。 でも……保坂君は私に心配されたくないって思っているかも。 それにもしかしたら、私が保坂君に会いたくなくて風邪を引いて学校休みたいって思ったように、保坂君も私に会いたくなかったから、わざと風邪を引いたのかもしれない。
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