保坂クンは私のことが大嫌いなんです。

テレビをつければちょうど天気予報が流れていて、今日から九月だというのに、真夏のような暑さだと言っている。
それを聞いたら、ますます学校に行きたくなくなった。

別に学校が嫌いなわけじゃない。
勉強は好きだし、友達だっている。二学期は学校行事も沢山あるから、楽しみは楽しみではあるんだけど……。

「会いたくない、な」

ハニートーストをひとかじりしたところで、つい本音が漏れた。

私がこんなにも学校に行きたくない理由。
それはきっと、学校には会いたくない人がいるからだ。

「あー冬華ちゃん！ちょうどよかったわ！今、伺おうと思っていたの」

朝食を済ませ用意をし、玄関の鍵を閉めた時、背後から聞こえてきたのは隣に住むおばさんの声。