保坂クンは私のことが大嫌いなんです。

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私が通う南第一高校は、自宅から徒歩で二十分の距離にある。 一学年六クラスあり、そのうちの一クラスは進学クラスだ。 私はその進学クラスで一クラスしかないから、三年間クラス替えなどない。 だから卒業までずっとみんなと一緒。 二年生になった今、それなりにみんなと打ち解けてきた。 だけど、どうしてもたったひとり……。隣の家に住む幼なじみとは、昔からずっと打ち解けることなどできていない。 「キャー!竜ー!!」 「竜先輩ファイトー!」 あれから学校に到着し、真っ先に向かったのは自分の教室ではなく体育館。 おばさんに頼まれたものをさっさと彼に渡してしまおうと思って来たけれど、ちょっと来る時間を間違えてしまったかもしれない。 体育館の入り口には沢山の女子で溢れていて、中の様子を見ることができない。 だけどこの様子だと、まだ練習は続いているようだ。
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