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最近はいつもこんな感じ。
夕食は家でとって、パパが市江君を送っていく流れが出来上がっている。
ふたりとも娘の私以上に、市江君のことを好きなんじゃないかって疑うほどだし。
「早く帰ろうぜ」
〝早く帰ろう〟
何気ない言葉ひとつで、幸せを噛みしめてしまう私は重症なのかもしれない。
「……うん!」
重症でも大丈夫。
市江君がこうやってずっと隣にいてくれれば。
手を繋ぎ、時には毒を吐かれながら今日もふたりで自宅へと向かっていく。
きっとこれからも、こんな風にずっと隣にいるのは、毒舌だけど優しくて、大好きな彼なはずだから――。
end
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