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秋も深まり、そろそろ冬の訪れを感じられる朝。
朝の冷え込みが増し、なかなかベッドの中から出られない日々だったけど、今日ばかりは目覚ましが鳴るのと同時に、飛び起きた。
「急いで準備しなくちゃ」
寒さなんて気にしていられない。
素早くパジャマから制服へと着替えていく。
そして部屋の中にある全身鏡で自分を見つめ、制服に乱れがないか確認する。
「よし、あとは顔だ!」
昨夜のうちに準備しておいた鞄を手に、部屋を飛び出した。
坂井夕陽(さかい ゆうひ)十七歳。
真面目が取り柄な高校二年生だ。
「ママ、おはよう」
「えっ、夕陽?嘘!もうそんな時間なの!?」
朝ご飯の用意をしていたママは、私を見るなり手を止めて慌て出した。
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