新しい生活のスタート

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「大変!早くパパを起こさないと」 「ちょっとママ、時計見て!まだ六時だよ?」 今にもリビングを飛び出していきそうなママを、慌てて引き止め時計を指差せば、ママは目をパチクリさせた。 「本当だ。じゃあなに?どうして夕陽ってば今日はこんなに早起きなの?」 「別にいいでしょ?早く起きたって!洗面台、使うね」 これ以上変に詮索されたくなくて、そそくさとリビングを後にした。 ママって鈍感そうにみえて、意外と鋭い時があるから怖いんだよね。 気をつけなくちゃ。 そう思いながらやってきた洗面台前。 私が通う高校は校則は厳しくなくて、ばっちりメイクをしている子も沢山いる。 だけどどうも私は小心者というか、真面目路線を突っ切っているせいか、恐れ多くてほとんど化粧をしていない。 まぁ……パパがうるさいっていうのもあるんだけど。
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