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その動きは、まさに雷(いかづち)の如し。
女は斬られたことすら解らなかっただろう。
「なんと凄まじき剣じゃ。
もはや木九衣(きくい)の当主を名乗って、恥じぬ力を身に付けておるな。
このワシでも、斬撃どころかお前の動きすら見えなんだわ」
感心する巴御前をよそに、斗真は上半身と下半身に分かれた女の体を、刀で突き刺していく。
「喰え、髭切」
斗真の言葉に呼応して、髭切が淡く蒼い光を放つ。
すると女の体は急速に渇きひび割れ、終いには砕けて細かな塵となった。
「ツッ」
斗真の顔が、わずかに苦痛に歪む。
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