闇に落ちていく

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「ラ~ララ~ラ~」 榊 沙弥(さかき さや)は自宅のキッチンで上機嫌で料理に勤(いそ)しんでいた。 両親からの仕送りのお陰で、24才にしては贅沢な1LDKのマンションで一人暮らしをしている。 恋人の長洲 圭(ながす けい)と初めて過ごすクリスマスイブ。 今日のために、昨日から部屋の隅々まで綺麗に掃除し、模様替えまでしていた。 今日は会社から急いで帰って、彼の好きな料理を何品も作った。 リビングの壁掛けの時計を見ると午後八時を示している。 恋人の到着まで後三十分。 「圭さん・・・」 沙弥はドクンと胸が高鳴った。
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