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古来より、この国には鬼と呼ばれし邪(よこしま)な者どもがいた。
奴らは人の怒りや哀しみ、憎しみや怨みなどの、負の感情を喰らい糧としていた。
実体を持たぬ鬼どもは人にとり憑き、他者から負の感情を引き出し喰らうために、騙し欺き、傷つけ殺め、ありとあらゆる悪行を繰り返した。
人を遥かに凌駕する力を持つ奴らは、長きにわたり人の社会の闇に紛れて暗躍してきた。
しかし無敵とも思える鬼にも、天敵となる人間の一族がいた。
その一族は人の身でありながら鬼を喰らい、奴らの力を我が物とし、代々その力を伝えてきたのだ。
鬼どもはその一族を、怨みをこめてこう名付けた・・・
鬼喰い(おにぐい)・・・と。
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