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「斗真。
剣技もかなり上達してるわよ。
もしかしたら、もう私と互角かもね」
そんな斗真を気遣って凛香がフォローを入れた。
しかし、それが気に入らなかったのか、巴御前は毒を吐く口を止めない。
「まったく・・・
凛香は少し過保護過ぎやせんかの?
斗真よ、凛香もそろそろ三十路を迎えるというに、これでは安心して嫁にもいけんの」
「なんだと・・・」
痛い所を突かれて、カチンときたらしく、巴御前に噛み付こうとした。
「お待ち下さい、御前様。
私も木九衣の女です。
斗真が立派な当主に育つまで、私が親代わりを努めてみせますわ」
険悪な空気になりかけた二人の間に、スルリと凛香が割り込む。
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