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「大丈夫よ、斗真。
アナタは私が手塩にかけて育てた自慢の弟だもの。
いつか私を越えてくれると、信じてるわ」
凛香は落ち込む斗真の背中をポンと叩いた。
姉に慰められ、自身の不甲斐なさと照れ臭さから、思わず顔を背けてしまう。
しかしチラリと盗み見た、凛香の含むところのない笑顔が、いつか姉の期待に応えてみせる、と斗真の心に強く決意させた。
「姉さん、オレ、頑張るよ」
背を向けたまま、斗真はポツリと呟く。
「期待してるわよ」
凛香はウィンクして右の拳を斗真に突き出した。
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