姉の期待に

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斗真もそれに気付いて、はにかみながら同じように右拳を出して、凛香の拳とコツンと合わせた。 「今日は宇田さんに事務所に呼ばれてるんでしょ? さ、シャワーを浴びて汗を流してらっしゃい。」 斗真と凛香は、巴御前と道場の神棚にそれぞれ一礼して、道場を後にした。 「ふう、やれやれじゃ。 まったく、あの姉弟は・・・」 斗真たちが去った道場に一人残り、巴御前は神妙な表情を浮かべていた。 「おそらく、あの方の封印が解けるまで、まだ暫く時はあるじゃろうが・・・ それまでに、斗真が仕上がっておらねば・・・ ふむ。 今一度、とと様と話しておく必要がありそうじゃ」 意味不明な言葉を残して、巴御前は文字通り道場から姿を消した。
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